2008年5月30日金曜日

046:人のむねのうちには、

一、人のむねのうちには、蓮華候にて、其上に佛をはします。あした(朝)には、手かほ(顔)をあらい(洗い)み(身)をきよめ(清め)、かの佛をねんじ(念じ)申べし。しやうじん(精進)の物をくわざる(食わざる)さきに魚鳥をくう(食う)べからず。返々あさましき事なり。その上魚とり(鳥)は父母、親子のしゝむらなりと申。あながちこれらをこのみ給ふべからず。ことに六さい(斎)日十さい(斎)日には、もろ/\の諸天あまくだり給いて、罪の善悪をしらさるゝ日なれば、とき(斎)も精進けつさい(潔斎)して、神佛にみやづかふべし。出家はいつもをこたりなし。かやうの日は在家のためにやとおもひ給ふべし。月に六日十日はわうじやく(尫弱 *軟弱)の事也。

極楽寺殿御消息 北条重時

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