2008年5月23日金曜日

035:我は身をさりても、

一、我は身をさりても(*自分のことはさておいても)、人の用をきくべし。事かけ(欠け)ざらん事(*なくてもさほどに困らないこと)に人に用をいふべからず。内外なからん人(*親しい仲の人)にも、心をかぬ躰(テイ)にて(*さりげなく)しんしやく(斟酌)あるべし。あまりにこと/"\しくその色(*気遣っている様子)を見すれば、人用をいはず(*相手がかえって遠慮してしまう)。されば人あひなき事也(*人間関係が疎遠になる)。よく/\心得給ふべし。大なる用を人のをばきゝ(聞き)、われは少用をいふべし。

極楽寺殿御消息 北条重時

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