2008年5月13日火曜日

001:佛神を朝夕あがめ申、

一、佛神を朝夕あがめ申(まうし)、こゝろにかけたてまつるべし。神は人のうやまうによりて威をまし、人は神のめぐみによりて運命をたもつ。しかれば佛神の御まへ(前)にまいりては、今生の能(のう)には、正直の心をたまわらんと申(まうす)べし。そのゆへは、今生にては人にもち(用)ゐられ、後生にては必(かならず)西方浄土へまいり給ふべきなり。かたがたもつてめでたくもよき事也。此(この)むねを能々(よくよく)あきらめ給ふべく候なり。

極楽寺殿御消息 北条重時

意訳:ホトケ様・神様を朝に夕に礼拝して、心から離さぬようにすることだ。神様は人が敬うことでその威力を増し、人は神様の恵みよって運命を保つ。だからホトケ様・神様の前では、この人生において自分が正直の心を賜れますようにと祈念せよ。なぜかといえば、正直の心を持っていれば、現世では人から重用され、来世は必ず西方浄土(極楽)に往生できるからだ。どちらにしたって、めでたい善い事じゃないか。この旨よくよく理解しておくことだね。

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