2008年5月30日金曜日

045:つみをつくり給ふまじき事、

一、つみ(罪)をつくり給ふまじき事、たとへにも、一寸のむしには五分のたましゐ(魂)とて、あやしの虫けらもいのち(命)をばおしむ(惜む)事我にたがふ(違ふ)べからず。たとひ貴命などにて、鵜鷹のかり(狩)、すなどり(漁)をするとも、返々悪業をはなれ佛のにくまれをかふむり候はぬやうに心え(心得)給ふべし。又その事こそあらめ、人のわづらい、なげきをおい給ふ・[べ]からず。なげきと申は、つくり物などをすこしもそん(損)さし給ふべからず。子孫にむくう。今生にもそれほどのくるしみあり。後生にてもつみ(罪)なるべし。

極楽寺殿御消息 北条重時

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