2008年6月19日木曜日

054:兄弟あまたありて、

一、兄弟あまた(数多)ありて、親のあと(跡)をはいぶん(配分)してもちたらんに、そうりやう(惣領)たる人はくばう(公方)をつとめ、そし(庶子)を心やすくあらすべし。またく恩とおもふべからず。我がれう(領)を扶持すべしと親も見給ひ、家をゆづり給ふうへは、一もん(一門)、しんるひ(親類)をはごくむ(育む)べし。さやう(左様)にあればとて、ぶ礼(無礼)にすべからず。然ば(しからば)又惣領をうやまひ、一大事の用にたつ事まめやかなるべし。佛神のはからいあり、又は前生のしゆくしう(宿習)あるらんと思ひて、よきをばよきにつけ、あしきをば我れ見すてゝはたれ(誰)か他人は扶持すべきと、ことにあはれみ(憐み)ふかゝる(深かる)べし。

極楽寺殿御消息 北条重時

現代語訳の参照:Yahoo!知恵袋より

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