2008年6月13日金曜日

050:人の妻をば心をよく/\見て、

一、人の妻をば心をよく/\見て、一人をさだむ(定む)べし。かりそめにも、其外に妻をさだめて、かたらふ事なかれ。ねたましきおもひつもりて(妬ましき思ひ積りて)、あさましくあるべし。されば其罪にひかれて、必(カナラズ)地獄にもおちぬべき也。聖(ひじり)などの一生不犯(フボン)なるはいかゞし給ふ。一人をおかす(犯す)だにも仏性をたつ(絶つ)事うたがひなし。ましていかばかり罪ふかゝるべき。六歳(斎)日十歳(斎)日(*仏教のウポーサタ・布薩にちなんだ精進潔斎日)に女にちかづく(近づく)べからず。此日子生ずれば、その身かたわ(片輪)にあるべし。又おや(親)のおんてき(怨敵)となる也。

極楽寺殿御消息 北条重時

※北条重時が「一夫一婦」を勧めた教訓として有名。重時本人には複数の妻がいた。

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