2008年8月6日水曜日

075:百性のかき内に、

一、百性(百姓)のかき(垣)内に、いさゝかなるくだ物(果物)にても、又つくりたる物など、さしたる事なからんにこう(乞う)べからず。此心をしられぬれば、こゝろざしに出(イデ)くる也。されば事かくる(欠くる)事なし。大事の用あらん時はこい(乞い)もすべし。いかにもおんびん(穏便)なる使にてこうべし。いたはる(労はる)事なければ、むつかしくなどおもひて(思ひて)、さやうの物をばつくらぬ也。さればまめやかなる用の時は事をかく(欠く)也。百性(百姓)をいたはれ。徳もありつみ(罪)もあさし。

極楽寺殿御消息 北条重時

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