いにしへの人のかたみと是を見て一こゑ南無と唱給へよ
御教訓の御状かくのごとし。
極楽寺殿御消息 北条重時 終
参考文献
『家訓集』東洋文庫687 山本眞功 平凡社 2001年
『武家家訓・遺訓集成』 小澤富夫 ぺりかん社 1998年
『中世武家家訓の研究』 筧泰彦 風間書房 1967年
『家訓集』東洋文庫687 山本眞功 平凡社 2001年
『武家家訓・遺訓集成』 小澤富夫 ぺりかん社 1998年
『中世武家家訓の研究』 筧泰彦 風間書房 1967年
鎌倉幕府の連署(執権の補佐)として活躍した北条重時(1198-1261)が出家後に子孫への教訓として記した書。自らの仏教信仰と、質実剛健にして自立心に富んだ東国武士の気風を反映し、正直・奉公・慈悲・謙譲・平等といった普遍的な人間のあり方を説いたその思想は、江戸時代まで広く国民各層の道徳意識に影響を与えた。